◉カテーテル血管治療(血管を詰める) 炎症部位より上流の動脈にカテーテルを挿して塞栓物質を流します。もやもや炎症血管は細く、流れも遅いため塞栓物質は炎症部位で血管を詰めることができます。正常な末梢血管は流れも早く、管腔も太いため詰まりません。万が一詰まっても、直ぐに分解される塞栓物質を使いますので、2-3分で血流は改善し安心です。
治療はおよそ15分くらいかかります。局所麻酔を刺入動脈の周囲に行います。その後、点滴で用いるカテーテルチューブを動脈内に挿入し、抗生物質でできた粒子を投与いたします。その後十分圧迫止血を行い、血腫の形成がないことを確認したのちに、帰宅していただきます。当日はなるべく安静にしていただきますが、シャワーを浴びたり、通常の生活は可能です。
薬剤の投入時に熱い感じや、痛み、鈍痛が出るものですが、一時的なもので問題はありませんので、ご安心ください。皮膚色調変化も出るものがほとんどですが、これも一過性ですので、心配はありません。
効果は数日で感じられる場合もありますが、多くは、数週間から1−2ヶ月かかって改善が見られます。症状の改善が不完全な場合は、2回目の治療を行うことも可能ですが、その間隔は、1ヶ月以上はあけていただきます。
一般的に高齢者の方ほど効果が出にくいとされています。これは、もやもや炎症血管が長年の経過により増殖しており、なかなか治療に反応しないのと、炎症以外の構造的変化も生じているためだと思われています。