エコーを用いた診療スタイル

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使用するのはCanon製高精細エコーと、整形外科エコーのスタンダード機HS1

 当クリニックでは、エコーをさまざまな場面で使用します。診断をつけるためにも、病態を把握するためにも、注射の治療を正確に行うためにも使います。そして、最大の特徴として、手術の際のアシストとして使用します。診断や注射針の位置や方向を確認するために、画像解像度に定評のあるCanon製高精細エコーとコニカミノルタのHS1を使用しています。
 また、整形外科診療で用いる標準プローブの18Mhz高周波プローブに加え、体表部分の高解像度描出に特化した24MHz超高周波プローブが使用できます。0.1mmの分解能をもつため、通常のエコーより画像が繊細に見えるため、より安全に、より確実に手術を行うことができます。24Mhzの超高精細プローブは大学病院レベルでしか導入されておらず、香川県下で同プローブを使用している数少ない医療機関の一つとなっております。
 これらのエコーが、整形外科の診療にもたらしたものはとても革命的です。いろいろなことが見えることで、今までできなかったこと、もしくは行われていても不確実だったものがより確実に施行できるようになっています。その新しい世界を少しのぞいてみましょう。

エコーでは、何が見えるようになったのか

エコーは昔から内科や産婦人科では使用されていました。しかし比較的浅いところは不得意とされていました。近年の技術進歩で、浅いところ(最近では皮下1cm以内も高精彩に描出できるプローブもでてきています)も見えるようになってきました。
基本的に骨だけを描出するレントゲンと違い、エコーが得意とするものは、腱、筋肉、靭帯、軟骨、神経、脂肪、結合組織などの軟部組織といわれる部分です。

見落とされていた骨折が見える

実は骨折についても、レントゲンで見落とされていた、小さい骨折、肋骨骨折などは、エコーの方が優れた検出率を誇るようになってきています。
とくに、軟骨成分の多い成長前のこどもさんでは、レントゲンで写らない軟骨を含んだ骨折のエコーによる検出は、治療方針を決めるためにも重要な役割を果たしています。

痛みが画像化されて見える

さらにドップラーエコーといわれる、血流を評価する技術が発展したことにより、微小な遅い血流を画像化できるようになりました。慢性疾患の痛みは血管から出ていることがわかっています。この遅い血流の描出は、慢性疾患による痛みを出している血管と一致するため、痛みの部位を正確に描出することができるようになっています。これらの慢性的な痛みを出している流れの遅い血管は「もやもや血管」と言われています。もやもや血管をなくすことで痛みが取れることがわかっており、当クリニックでは、通常の治療で改善しない患者さんには、エコーによる新しい治療として、「もやもや血管」を治療するようにしています。

赤い部分が「もやもや血管」の発生部位  通常この部位を押すと痛みを訴えます

神経が見える

当クリニックに導入されている高精細エコーは指の神経まで描出可能です。神経を描出できるようになり、血管性の痛み以外の神経性の痛みも描出できるようになりました。のちに述べるハイドロリリースも現在は一歩進んでニューロ(神経)リリースが行われるようになっています。当クリニックでも上肢・下肢・一部の脊椎由来の神経痛についても積極的にリリースするようにしています。
また手術や治療の際におこなう神経ブロックについてもほぼ確実に行うことができるようになっており、その恩恵は多大なものがあります。

筋肉や腱、靭帯の損傷が見える

レントゲンではわからなかった筋肉、腱や靭帯の損傷は、今まではMRIに頼るしかありませんでした。しかし、MRIには、コストが高い、時間がかかる、動かして撮れない、2回目はすぐに撮れない、などのデメリットがありました。エコーでは安いコストで、診察時すぐに、そして動かしながら検査できる、というMRIにはなかったメリットが生まれました。当クリニックでは、突き指の靭帯損傷、アキレス腱や肩の腱、肘の靭帯や腱の付着部、足の肉離れなどに対し、受診時すぐに診断が下せるようになっています。MRIを撮影することなく、すぐに治療が始められ、なおかつ、経過観察時に何度でも検査ができる体制を整えておりますので、気軽に受診できます。

アキレス腱の断裂部 断端が離れている距離も測定できます

組織の硬さが見える

エコーは今まで評価できなかった、筋肉や組織の硬さを評価できるようになりました。今まではストレインエラストグラフィーといわれる再現性に乏しい評価方法でしたが、高精細エコーでは剪断波エラストグラフィーといわれる再現性の高い評価方法が行えるようになっています。スポーツ選手などの復帰時期の判定に特に有効です。その他、術後の筋肉やアキレス腱などの硬さの評価に使用しています。

赤位部分は筋肉が硬く、青い部分は筋肉が柔らかい部位

注射の針先が見える

今まではエコーは検査器械でしたが、現在は治療器械としても使われています。ほとんどの注射は今まで盲目的に針先は見えませんでしたが、当クリニックではほぼすべての注射の治療にエコーを用いています。針先を、関節内に入れるのか、神経のすぐ近くにいれるのか、石灰化した腱の部位に入れるのか、筋肉の硬くなった部位に入れるのか。すでに、注射はエコーなしではできないくらいになってきています。より安全に、より正確に。エコーは治療の正確性に確実に寄与しています。

針先はより正確に刺入できるようになっています

手術のアシストとして使う

当クリニックのエコーの使用において、最大の特徴は手術でもエコーを使うということです。手術の傷を小さくして、術中術おの痛みをすくなくするために、内視鏡やロボット手術などが使われてきました。しかし、エコーはまだ手術で使うのは一般的ではありません。当クリニックでは海外診療経験を積んだ医師による、エコーガイド下の手術を先駆けて導入しています。ほとんど切らずに手術できるため、患者さんのメリットはとても大きいと考えています。詳しくはホームページ内のリンクをご覧ください。

切らない日帰り手術

エコーガイド下に行う経皮的手術について
手根管症候群の手術でエコーを使用
ばね指を切らずに手術する時もエコーが活躍

文責 整形外科専門医・手外科専門医 戸谷祐樹

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